はじめに
前回まででDBを冗長化させ、さらにDBのVIPをPacemakerで持たせるところまで実施しました。今回はZabbixの設定を行います。Zabbixの設定は他のサイトでもたくさん紹介されているので、本記事の他に公式ドキュメントも参照することをおすすめします。
構成図
ホスト名:zabbix-ap01
IP:172.16.1.101
構成:AlmaLinux 9、Zabbix6.0
ホスト名:zabbix-ap02
IP:172.16.1.102
構成:AlmaLinux 9、Zabbix6.0
ホスト名:zabbix-db01
IP:172.16.1.104
構成:AlmaLinux 9、PostgreSQL 13
ホスト名:zabbix-db02
IP:172.16.1.105
構成:AlmaLinux 9、PostgreSQL 13
Server用の設定
既にZabbix用のDBは作成されているので、zabbixのconfファイルを編集します。zabbixのconfのパラメータは、末尾に記載することで反映可能なため、手順でも末尾にパラメータを記載しています。
/etc/zabbix/zabbix_server.confにパラメータを追記します。(zabbix-ap01用)
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# cat <<_EOF_>> /etc/zabbix/zabbix_server.conf ValueCacheSize=32M DBHost=172.16.1.103 DBPassword=zabbixpw StartSNMPTrapper=1 HANodeName=zabbix-ap01 NodeAddress=172.16.1.101:10051 LogType=system CacheSize=1G _EOF_ |
補足
上記confの補足です。zabbix-ap01用の設定のため、HANodeNameと、NodeAddressはzabbix-ap02に設定する際は変える必要があります。その他パラメータについても、簡単な説明を記載しておきます。
ValueCacheSize=32M
履歴値キャッシュのサイズの設定です。実際の運用で監視する機器の数や監視する際に取得するパラメータ・監視の複雑さによって監視サーバの負荷が変わるため、負荷に応じて設定値を変えます。
DBHost=172.16.1.103
Zabbixサービスが使用するDBのIPアドレスを指定します。今回はPacemakerで設定したVIPを指定します。
DBPassword=zabbixpw
DB接続のパスワードを指定します。pg_hba.confの設定でパスワードなしでログイン可能な場合はあまり意識する必要はないかもしれませんが、DB接続エラー発生時はよく見ておく必要があります。
StartSNMPTrapper=1
SNMPトラップを受信する場合の設定です。本記事では詳しく触れませんが、被監視機器にSNMPトラップ設定があり、Zabbixでアラートとして検知する場合は必須の設定です。
HANodeName=zabbix-ap01
HA用の設定です。HAクラスターのメンバーとして、一意の識別名を設定します。
NodeAddress=172.16.1.101:10051
こちらもHA用の設定IPアドレスとポート番号を指定します。
LogType=system
ログの記録方式を指定します。systemとした場合、ログはsyslogに転送されます。
CacheSize=1G
キャッシュサイズを指定します。こちらも実際の運用状況に応じて変えます。
Agent用の設定
次に、/etc/zabbix/zabbix_agentd.confを編集します。以下はzabbix-ap01用の設定です。
指定するIPは自身がagentだった場合に、パラメータの引き渡し相手の設定のため、zabbix-ap02のIPも許可しています。
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# cat <<_EOF_>> /etc/zabbix/zabbix_agentd.conf Server=127.0.0.1,172.16.1.102 ServerActive=127.0.0.1,172.16.1.102 LogType=system _EOF_ |
あとはZabbixサービスを開始すれば、Zabbixサーバとして起動します。先に起動した方が主系となるので、起動する際の順序は気を付ける必要があります。ここまでの作業でZabbixを監視サーバとして動かすことは可能ですが、次の記事でKeepalivedでZabbixサーバのIPにもVIPを付与したいと思います。