はじめに
本記事ではAD環境に構築されたサーバを、IPアドレスとホスト名を変えずに更改することを想定した検証を紹介しています。WORKGROUP環境であっても同じ流れかと思いますので、ADの設定確認は適宜スキップしてもらえればと思います。
※本記事は下記のファイルサーバ移行検証の一部です。
構成
既存ファイルサーバ(データのコピー元)
ホスト名:filesv-win-01
IPアドレス:172.16.1.137
OS:WindowsServer 2022
新規ファイルサーバ(データのコピー先)
ホスト名:filesv-win-02
IPアドレス:172.16.1.138
OS:WindowsServer 2022
上記は検証開始時の設定です。最終的には既存のサーバはホスト名とIPアドレスを他のサーバと重複がないように変更し、新規サーバは既存サーバの情報に設定変更します。
切り戻しの観点から、変更後も既存のファイルサーバへのアクセスできるようにしています。
既存サーバの設定変更
既存サーバのホスト名とIPアドレスも新規サーバへ移行する想定で考えます。つまり、クライアントから見ると一時的にサーバが停止したものの、更改されたことは認識されないような状況を作ることになります。更改対象の環境情報がほとんどない場合、クライアントがファイルサーバにどのようにアクセスしているかすらわからない場合もあります。そのような場合は、既存情報をそのまま移行してしまう方針になることは多いのかもしれないです。
事前確認
以下は設定変更前の状態です。FILESV-WIN-01が登録されています。
設定変更
では、IPアドレス設定を適当なアドレス「172.16.1.139」に変更します。このIPアドレスは空いているアドレスであれば何でも良いです。
念のために変更されているか確認します。
次にホスト名を変更します。これもADに存在しない一意の名前であれば良いです。
再起動して設定を反映させます。
以下は再起動後の確認結果です。想定通り変更されています。
AD上のホスト名(コンピュータ名)も変更されています。
新規サーバの設定変更
次に新規サーバを既存サーバの設定に変えます。手順は先ほどの既存サーバと同じように変えます。
IPアドレスを既存サーバが持っていた情報に変更します。
ホスト名を既存サーバに設定されていた名前に変えます。
再起動します。
再起動が完了した後の確認です。ホスト名が変更されています。
AD上の設定にも反映されています。
サービスの正常性確認のために、既存サーバが持っていたアドレス宛ててにアクセスします。問題なくファイル共有されています。存在すべきファイルがあることや、アクセス権が詳細に組まれている場合は、必要に応じて試験をしてみてください。
以上でファイルサーバの移行が完了しました。
最後に
実際の更改ではその他サーバやNW機器の更改と同時並行で行う必要があったり、ファイルサーバの移行対象の要件があったりと様々かと思います。今回紹介した内容はある意味最低限の作業なのかもしれないです。
私自身も今後も同じような更改作業に出会うのかもしれませんが、本サイトに新しく追加できる内容があれば、随時追加して行きたいと思います。